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三連休ですが、例によって私は仕事です。仕事が多いというよりは休日に働けばどうにかなるという安心感がかえって休日の仕事量を増やすのでしょう。人が集中できる時間には限界がありますから、平日の労働時間を過剰にしないことにはある程度の合理性があるかもしれません。

ただ、せっかくの休日ですから本を読みたい。大好きな宮部みゆきの新刊はしばらくお預け状態なのは仕方ないとしても、せめて仕事関連の本ぐらいは読みたい。ということで、何冊か買い込んであるのですが読む時間をまとめてとるのは至難の業です。

最近買い込んだ本に「要件事実マニュアル 全5巻」(ぎょうせい)があります。岡口基一という裁判官が書かれた法曹関係者の間では極めて有名な本です。「要件事実マニュアルを持っていない弁護士はいない。」と言われるほどの弁護士の必携本ですが、私はこれまで購入したことがありませんでした。

実は飲み会で同席していたある書記官(裁判所の職員。訴状のチェックなど重要な職務がある)と私は次のような対話を交わしていました。

私「書記官さんから訴状の補正を指示されると気が滅入るよ。」

書「そんな気にすることはない。僕は過払裁判の訴状を別とすれば、9割以上の訴状に補正をお願いしている。厳しくチェックしているからね。」

私「そうなんだ。少し安心した。」

書「僕は要件事実マニュアルを使って訴状をチェックしている。かなり便利だよ。」

私「へ~、そうなの? みんな持っているけど読んだことないな~。」

書「要件事実マニュアルは買うべき。絶対に役に立つ。」

信頼している書記官から薦められたので、私は要件事実マニュアルを買う気になりました。民法の大改正もいつになるのかわからないので、この度、思い切って全巻買ったのです。

実際に要件事実マニュアルを手に取って驚きました。民法だけではなく、商事や知財、行政、家事まであらゆる法領域について解説されているのですね

「はしがき」には「情報へのアクセス」を容易にすることに狙いがあると書かれていました。法科大学院生のカンニングペーパーではないのですね。失礼しました。

これからは訴状を作成する際に一度は要件事実マニュアルの該当ページに目を通そうと考えています。これで書記官からの補正指示が減るとすれば、私の気持ちも前向きになることでしょう。

明日は三連休の最後です。頑張って仕事を片付けたいと思います。

(丹波市 弁護士 馬場民生)