丹有法律事務所では、研修等の講演のほか、行政の委員会委員への就任を積極的に引き受けています。地域への貢献という事務所の理念もありますが、見聞を広げることで弁護士自身の能力向上にもつながるからです。

今年度は、私(弁護士馬場民生)が丹波市の「配偶者等からの暴力対策基本計画策定委員会」委員に新たに就任します。いわゆるDV事件の対策にかかわる機会を与えられたのです。

男女の差がなくなりつつあるとはいえ、弁護士が相談を受けるDV事件(そのほとんどが離婚事件)では女性が夫からの被害を訴えるケースが大半です。DVの程度が深刻なケースほど、離婚に向けた協議は難航する傾向にあります。DV夫が(妻から依頼をうけた)私の事務所に押しかけてくることがあるほか、裁判所でかち合うとDV夫が妻やその代理人に声をかけてくることもあります。

このように弁護士にとってDV事件は難度と危険度が高いです。離婚事件を嫌がる弁護士もおられます。しかし、私は弁護士になる前から家族のあり方への関心が高かったこともあり、DV事件を快く引き受けるようにしています。

DV事件は夫婦間のみではなく、子どもへの影響が大きいことが最近になって注目され始めました。暴力を目撃した子どもへの心理的影響(虐待)があるほか、面会交流の実施や養育費の支払も問題になります。

私はDV事件を経験しながら成長した大人達(元子ども達)の意見を聞いてみたいです。一番の被害者は、親を選べず、DVを止める術も持たない子ども達なのですから。ところが、私が目にする意見は親達(あるいは親達の代理人)のものばかりです。どうしてなのでしょうか。

今日から連休です。本を読む時間をつくって、DVの実態について勉強し直そうと私は思っているのです。
(丹波市 弁護士 馬場民生)