先日(2016年1月23日)、私は長島愛生園を訪れました。長島愛生園はハンセン病の国立療養所として知られています。病気は治っているものの、後遺症や高齢化により社会復帰できない方々が現在でも入所されています。
ハンセン病患者に対する偏見と差別の歴史があることは私も聞いたことがあります。しかしながら、私の認識は「聞いたことがある」というレベルのものでしかありませんでした。ですので、この度、短時間とはいえ長島愛生園を訪問したことは、ハンセン病患者とその家族に対して本当にひどい仕打ちがなされてきたことを実感させられる良い機会になりました。
私も含めてあらゆる人に先入観あるいは偏見はあると思います。得られる知識や情報も限られているのですから、それは当然のことです。問題は偏見に囚われて、他者を攻撃したり排斥したりしてしまうところにあります。
ハンセン病患者に対する偏見と差別はハンセン病のみの歴史ではありません。謙虚さを忘れ、他者を攻撃し排斥するすべての行為に対して、ハンセン病の歴史は猛省を迫っているのです。
(丹波市 弁護士 馬場民生)