領事館の建物は閑静な住宅街に溶け込んでいました。5年ほど前のこと、12月5日から上映される映画「杉原千畝 スギハラチウネ」の舞台となった領事館を訪れたことがあります。
杉原千畝が多くのユダヤ人をナチスの迫害から救ったことはよく知られています。私は本屋さんに杉原千畝の本が積んであるのを見て、杉原千畝の勇気ある行動をはじめて知ったと記憶しています。
領事館のあったリトアニアは、観光地としてはあまりメジャーではないかもしれません。しかし、そこには美しい自然と建物がたくさんあります。
なかでも一見の価値があるのが、トラカイ城です。美しい湖に浮かんでいるかのような赤レンガ造の建物はうっとりとするほど美しいです。
航空写真
http://www.heritage.lt/archeologija/aerofoto/traku_salos_pilis.htm
リトアニアは隣国のエストニア、ラトビアとまとめてバルト三国と呼ばれます。大国の狭間で翻弄されてきた小国の近現代史には、いろいろと考えさせられます。大国の狭間にある小国の地に赴任したからこそ、杉原千畝は勇気ある行動に出ることができたのだと思います。
最後に、バルト三国ではコウノトリがたくさん飛んでいます。日本でも昔はこのようにコウノトリの飛ぶ姿が日常の風景だったのだろうな、などと考えながら旅するのは楽しいものです。
百聞は一見に如かずです。映画上映を契機にリトアニア、そしてバルト三国に興味を抱く人が増えるといいですね。
(馬場民生)